介護職が実際に聞いた人間関係のトラブル
人間関係の問題というのは職種問わず、どんな業界にもよくある問題です。
しかし介護業界は、圧倒的に女性が多いこと、また若い人から中高年まで幅広い世代が働いていること、また正社員やパート、派遣など働き方も様々であることから、介護職ならではの複雑な人間関係があります。
今回は、実際にどのような人間関係のトラブルがあるのか、介護職員の現場の声も紹介しながら考えてみました。
スタッフ同士の人間関係
人間関係の中で、やはり多いのがスタッフ同士の人間関係です。「女性が多いと本当に人間関係が悪いの?」と思いますが、現場の声を聞くと「なるほどなあ!」と納得する声が多く聞かれました。
- 女性職員同士の派閥があり、対立がすごくて人間関係がつらい
- 女性の職員しかいない事業所なので、とにかく陰口がひどい
- 自分の嫌いな人には面倒な仕事を任せ、嫌味ばかり言っているベテラン職員がいる
- 介護業界は女性ばかり。だから、陰口やら陰険ないじめは日常的にある
- 2代派閥ができていて、いつも険悪な雰囲気。派閥に入らなければ、また違ういじめにあったり、無視されたり・・・ ・噂話 や陰口はもちろん、他の職員の仕事でのミスやプライベートに関する事まで聞かされる
- ベテラン職員が、上司が見てないところで、必ず攻撃してくる
- そこにいない人の悪口を言う。自分の事も知らないところで言われているのかと思うといたたまれない
- 仕事中におしゃべりをし、利用者さんは放ったらかし
- 利用者さんの前でも陰口を言うので、注意したいが、とても言える雰囲気ではない
他職種との人間関係
介護の現場には様々な専門職がいます。看護士やリハビリ職、栄養士などの職員と連携をとりながら利用者のケアを展開します。しかしこうした他職種との中での人間関係で悩むことも多いと言います。
- 看護師と介護職員の関係はあまりよくない。看護師の介護職に対する態度にストレスがたまる
- 看護師が常に威圧的な態度で指示をしてくるので、職場の雰囲気がギスギスしている
- 利用者さんの対応をめぐり、看護師の意見を否定した介護士が、その後ずっといじめられている
- 飲み会の場で看護師集団は、いつも気に入らない介護職の悪口ばかり言っている
上司との人間関係
本来であれば、職場の人間関係等の悩みを相談したい上司との関係で悩んでいる人が多いのは、正直以外でした。 介護の職場では、年下の上司や年上の部下という関係も少なくないため、それもまた、人間関係を複雑にしているようです。
- 他の職員と同じことをしていても、注意されるのは何故か私だけ
- 利用者さんの前で平気で大声で注意されるので、辛い
- 1時間も前に出勤して仕事をするよう強要される
- 自分以外の人達とは話をするのに、自分が話かけても無視される
利用者さんやその家族との人間関係
利用者さんやその家族との人間関係で悩むことが多いのも介護職独特の人間関係です。これは介護施設の中だけに限らずで、在宅系で働く職員は訪問する利用 者の自宅の中での悩みも抱えています。
- とにかく要望の多い利用者さんがいて、即対応できないと、大声で文句を言われる(施設)
- 特定の利用者さんの家族の理不尽なクレームが多い(施設)
- 他の利用者さんと同じような対応していても「家の親だけ乱暴な扱いを受けている」「家の親はいつも後回しにされる」などと言いがかりをつけられる(施設)
- 面会時に「私が何か言えば、人質の母親がいじめられるので、我慢しているけど・・・」などの言葉を残して帰っていく(施設)
- 取られ妄想の利用者に、ヘルパーが盗ったと言われることが多く、介護に入っていても交代になることがある(訪問介護)
- 利用者さんからの要望が多くて、介護保険外のことまで強く要望され て断ることができない(訪問介護)
- 同居家族がいると、できない援助だとわかっていながら、できないと断ると「前のヘルパーは何でもやってくれて良かった・・・」と必ず言われる(訪問介護)
- 家族から事業所に「ヘルパーが気に入らないからを変えろ!」と電話が入る。これで何人変わったか・・・(訪問介護)
まとめ
介護の仕事は好きだけど人間関係が・・・と言う人の声が多く聞かれます。それほど介護職の人間関係は、働く人にとっては重要です。
自分の職場は、何でこんなに人間関係が悪いのだろうか・・・こんなにひどいのは、自分の職場だけなんだろうか・・・など色々考えることもあるでしょう。
介護業界は「人間関係の悪い職場が多い」と言われが ちですが、人間関係が良好な職場もたくさんあります。あまり我慢せず、少しでも自分が働きやすい、そして人間関係の良い職場への転職も検討してみるのもひとつの手段ではないかと思います。