介護職は大変だけどやりがいもたくさんあるの?
「介護職は大変だけど、やりがいのある仕事だ」という言葉をよく聞きます。しかし「やりがい・・・」という言葉が何となく曖昧に聞こえるのは、私だけでしょうか?
今回は、この先介護職として働こうとしている人の「介護職は大変だけれどやりがいもたくさんあるの?」という問いに対し、考えてみました。
- そもそも「やりがい」って何?
- 利用者さんとの関わりの中でやりがいを感じている!
- 資格取得により、やりがいを感じることができた!
- 転職をしたことでやりがいを得られた!
- 介護職のやりがいを考える時に忘れてはならないこと
- まとめ
そもそも「やりがい」って何?
「やりがい」という言葉を辞書で調べてみると「事にあたる際の充足感や手ごたえや張り合い」と書かれていました。仕事であれば、その仕事をやり切った時に得られるもの(評価)ということになるのでしょうか。
しかし実際に、その評価も、自分自身で認めることなのか、他者から認められることなのか・・・など、人によっても様々です。
介護の現場では、利用者さんとのかかわりの中で、感謝されたり利用者さんの笑顔が見られることで、介護職ならではのやりがいを感じている人も多くいるようです。
そんな介護職が、どんなことでやりがいを感じている(感じた)かという声を紹介します。
利用者さんとの関わりの中でやりがいを感じている!
多くの介護職が、利用者さんやその家族とのかかわりの中で、やりがいを感じていることが多いようです。
- 利用者さんや家族から、笑顔で「ありがとう」と言われること
- 元気のなかった利用者さんが、介護のサービスを利用することで、だんだん明るくなっていくこと
- 日頃から支援をしている利用者さんの状態が、少しずつ改善し、だんだんと元気になっていくこと
- 病気や加齢により、自宅で療養生活を送っている利用者さんの援助にかかわり、最期まで自宅で看取りができたこと
資格取得により、やりがいを感じることができた!
介護の現場では、経験を積みながら(働きながら)資格取得を目指している人も多くいて、それがやりがいにつながっている人達もいます。
- 無資格から始めた介護職だったが、今年やっと介護福祉士の資格が取れた
- 昼間デイサービスで働きながら、夜間専門学校に通い、社会福祉士の資格を取得できた
- 訪問介護の仕事がしたくて、介護職員実務者研修を受けた。この先現場の経験を積んで介護福祉士を目指したい
転職をしたことでやりがいを得られた!
転職には、介護業界からの転職はもちろん、別の業界からの転職もあり、転職をしたことで、やりが い得られた人もいます。
- 思い切って転職して良かった。前の業界に比べて、給料は下がりましたが、毎日「やりがい」を感じながら働けている
- 前の職場では人間関係で苦しんだが、転職後は、職場の雰囲気も良く、楽しく仕事ができている
- オープニングのデイサービスに転職し、責任のある立場を任され、大変だけれど頑張っている
介護職のやりがいを考える時に忘れてはならないこと
仕事の中で介護職それぞれが感じている「やりがい」について、実は忘れてはならないことがあります。介護業界では、どんなにやりがいを持ち仕事に就いて頑張っていても、経済的な理由により退職する人が多い現状です。
以前働いていた職場の後輩に言われたことがあります。「施設長や役職者は、いつもよく頑張ってくれている!と評価の言葉をみんなにかけてくれるが、自分にはどうしてもそれが上っ面に聞こえてしまう。職員の頑張りを何で評価するのか・・・職員がしっかり認めてもらえていると感じるのは、やはりその頑張りに見合う賃金が保障されていることだと思う・・・」と。なるほどなあ と思いました。
安定した賃金が保障されるということは、高く評価されているということで、職員のやりがいも向上し、その結果介護の質も向上していきます。介護のサービスの質を向上させるためには、様々な意味で。職員の「やりがい」アップが求められますね。
まとめ
介護職の仕事の大変さや、労働条件の悪さだけが、どうしても世間ではクローズアップされがちですが、実際には楽しく仕事をしながら利用者支援をしたり、資格取得などの目標に向けて頑張っている人もたくさんいます。
しかしどんなにやりがいを持って働けていたとしても、また資格が取得できたとしても、経済的な事情がある人にとっては、それにも限界があることでしょう。
年々介護保険の財源が厳しくなる中で、いかに介護職の待遇改善をし、本来の「やりがい」につなげられるかが、今後の重要な課題になってくると思います。