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【介護職員の体験談】実際に働いている人の声を聞いてみた

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介護施設などで入浴、排泄、食事など高齢者の生活全般を援助する介護職員。施設と言っても、特養、老健、グループホーム、デイサービス、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、様々な種類の施設があり、その施設の種類ごとに業務内容等に違いがあります。今回は、こうした施設で働く介護職の人達の体験談を紹介します。

日々介護の業務に追われている現場の中で・・・

長年特養でベテラン介護員として働くAさんの体験談です。自分の働く特養施設も、年々利用者さんが重度化し、終末期の利用者さんも多く受け入れるようになりました。そのため、現場の職員は、ほぼ1日中排泄、食事、入浴介助や、それに伴う移乗、移動などの援助で精一杯な現状です。

本来であれば、利用者さんの声にならない声(訴え)を聞き取ることも介護職の大事な仕事ですが、そこまでの余裕や時間がないのが正直なところかもしれません。介護の技術は進化していても、それ以上に大事なことを若い職員に伝えることが難しくなっていると感じています。

「何故○○していないの?」と聞くと「言われてないから・・」と答える職員も増えてきています。介護に重要な「気づき」だけは忘れてほしく ないと願っています。

自立支援をするはずが・・・

グループホームで働くBさんの体験談です。グループホームで働き始めて間もない頃、グループホームという施設の役割が正直見えないまま働いていました。よく上司にも「利用者さんをもっと客観的に見るように・・・あまりに思い込み過ぎたり入りこみ過ぎると、よい介護はできないよ」と言われていました。確かに、グループホームは、自立支援が基本であるのに、そこが自分には見えていなかったため、必要以上に手を出し過ぎていたように思います。

たとえば、食事を自分でとれる利用者さんなのに、時間がかかり過ぎたり、途中で遊んでしまうため、食べさせてしまったりなど・・・利用者さんの意向やペースに寄り添うことの重要さは十分に理解していても、つい職員側の都合やペースで進めてしまう こともあり、今も日々葛藤が続いています。

髪をカットされ、笑顔があふれた・・・

デイサービスの介護員として働くCさんの体験談です。自分が働くデイサービスに、認知症の進行により、会話はもちろん他の手段でもなかなかコミュニケーションをとることが難しい利用者のSさんが通い始めました。

当初なかなかまわりの雰囲気になじめず、表情も硬く、常に不穏な状態が続いていたため、絶えず個別の対応が必要な状態でした。自分自身も、利用時間を通して、デイサービスの中を歩き回るSさんの対応に悩む日々が続いていたそうです。

しかしある時、Sさんの家族からの希望により、訪問理美容を利用することになりました。もちろん職員の間では、カットする間、座ることができるのかということはもちろん、ハサミを使用するにあたっての不安などの話がありました。

理美容の当日を迎え 、初めは拒否をして座らないのではないかと心配していたSさんは、鏡の前に座ると、いつになく穏やかな表情でカットされている自分を見ながら、満面の笑みを浮かべたのです。

後から聞いた話では、Sさんは元気な頃にはとてもおしゃれに気を遣う人で、こまめに美容院に行っていたのだと・・・どんなに認知症状が進行しても、自分の過去の良い時代のことはしっかり覚えているのだということをSさんを通して学びました。

その後、Sさんの好きだった音楽やジグソーパズルなどの情報を家族から聞き取りながら、活動の中に活かすうち、少しずつ穏やかに過ごしてしていただけるようになりました。

まとめ

今回は、介護の現場で働く職員達の体験談を聞きながら、それぞれの現場で、精一杯頑張る姿が目に浮かびました。皆さんの働く職場でも、きっと悩んだり葛藤することもあるかと思います。その経験が、今後の介護職に活かされていくことを願っています。

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